そのレシピを見たとき、「これで美味しい訳ないじゃん。。。」正直そう思いました。
使っているスパイスはクミンシードとターメリック、そしてガラムマサラのみ。
時間も30分ほどで出来てしまうとの事。
そのレシピを見る以前の自分のカレーは、もっと何種類もスパイスも用意したり、鶏ガラと香味野菜でスープストックを作ったり、マサラのペーストをオーブンで焼いてみたりetc、多分普通の家庭ではなかなかやらない手間のかかる行程を経て完成させていたので、こんな簡単なレシピでは美味いものが出来る訳ないと思っていました。
カレーだけではく、本やネットで料理のレシピを見ても、殆どの場合載っている分量は無視して自分好みにアレンジし、手順だけを参考にしています。スパイスを使いはじめた初期の頃は知識も全くないので、書いてある分量はしっかり守り作っていましたが、数回作るうちにコレを入れると自分好みになるなぁという事が少しづつ理解できるようになり、他の料理と同じようにアレンジを加えるようになりました。
その頃は作れるレシピも少ないので、具材を変えたりして楽しんでいましたが、結局何を作っても同じような味になってしまい(スパイスの構成、スープストックが同じだから当然)もっと違う味を作れないだろうか?と思い始めていた時期でした。
変な話しなんだけど、スパイスでカレーを作りを始めた時に、インドカレーのレシピは一切参考にしなかったんです。
今思えばなんでだろう??最初に参考にしたレシピがスープを取るタイプだったからかな?よく分からないけど、インドカレーは作らん!というか、作れんと思っていたのかも。。
ただ違う味を出したかったので、初心にかえり、超簡単基本のインドチキンカレーというレシピを忠実に作ってみる事にしました。
レシピを見た感想は最初のとおりで、早速アレンジを加えようと思ったけど、それでは今までと一緒になってしまうので何とか堪えましたw
そのレシピでは玉ねぎをあめ色にする必要もなく、スパイスを入れる以外はトマトのパスタソースを作る過程によく似てて、煮込む時間もほぼなく、味付けは塩のみ、どちらかというと炒め料理みたいで、あっという間に完成。これで美味しかったら、今までやってきた事は何だったんだよ!ちなみに味見は一切なし。期待値0。
ご飯にかけ食べてみると、、、、
なんじゃこりゃーーーー!!!
口の中に広がるクッキリとしたスパイス感。煮込んだ時には出ない鶏肉の旨さ。
しんなりした玉ねぎがソースを吸って全体をまとめてて塩味だけなはずなのに、とにかく旨い!!
しかも超簡単。見事に今までの価値観をぶっ壊されました。
スパイスを沢山の種類入れれば、複雑な香りがする訳ではない事、調味料をこれば美味しくなる訳ではなく、スパイスの香りで素材の良さを引き立て短時間で美味しく調理するのが、インドカレーなんだという事がよく分かりました。
これを機にインドカレー作りにハマります。
今のあかつ亭のカレーは、インドカレーの作り方をしているものと、出汁をとったり醤油などの日本の調味料使ったりして作っているものがあります。
どちらが美味しいとは言えないです。
煮込めばスパイス感は飛ぶし、飛んで角が取れた感じが良かったり、出汁と合わせる手法はソースの深みが増すし、素材によっても違うだろうし、、
インドカレーのレシピを見たことある人なら分かると思いますが、レシピによって同じチキンカレーでもスパイスの量や行程が全く違います。
香りを引き立たせる手順さえ気をつければ、後は何をやっても自由。
人の数だけレシピがあります。結局のところ答えはないです。
ハッキリ言って自分の好み。美味しければ何をやってもよい。
(但し、ケミカルは無し)だったら、他にはない自分だけが作れるものを作ろう!今までやってきた料理の知識を取り入れれながら、スパイスの香りを融合させて料理にしたら面白い。そう思って作っています。
現時点の料理が完成している訳ではなく、面白い手法があればどんどん取り入れるし、無駄だと思ったら逆にどんどん省いていきます。
きっと将来は今では考えつかない手法をしていると思いますよ。